Chapter2 ”大きな結晶を作ろう”

目次
内容
新日本通商「クリスタルの科学」を使用して、出来るだけ大きな結晶を作った。
使用物
  • 新日本通商「クリスタルの科学」

  • 調味料入れ(透明である程度の深さがあればよい)
  • ミシン糸(キット付属の糸でも良いが、もっと細いほうがいいと思い準備)
  • 割り箸
  • (できれば)はかり
  • その他、セロテープなど

下調べ
物質(分子とか原子とかですが)が規則正しく固まった状態を結晶といいます。
また、何か液体に物質が溶けている(ばらばらに散らばって目に見えなくなっている)物を溶液といいます。
物を溶かしている液体を溶媒といい、溶媒が水である溶液を特別に水溶液といいます。
また、溶けているものを溶質と呼びます。
ある量の溶媒に溶けることが出来る溶質の限界量は決まっていますが、温度によって変化します。一般的には温度が高いほうがたくさんの溶質が溶けます。
限界まで溶質が溶けている溶液を飽和溶液(水溶液なら飽和水溶液)といいます。
溶液の温度が変化(多くの場合、低下)したり、溶媒が蒸発したりして、溶質が溶けていられなくなり、固体とし出てくることを析出といいます。
このときにうまく条件をコントロールすることで、溶質を結晶として析出させられます。これを結晶化といいます。
複数の溶質が存在する溶液で、それぞれの溶けやすさ・溶けにくさを利用して一方だけを結晶として取り出す方法を再結晶といい、これはきれいな(純粋な)物質を得るための方法のひとつとなっています。
(ただし、どうしても結晶になるときに目的のもの以外のものも混じるので、何度か再結晶を繰り返してきれいにすることが一般的です)
結晶化のときに、目的物の小さな結晶を入れておくと、その結晶の周りで結晶化が進んで、結晶が大きくなります。この目的で入れる結晶を種結晶と呼びます。

戦略
出来るだけ大きな結晶を得るためには
  1. 種結晶は出来るだけ見た目がきれいなものを選ぶ。

  2. 見た目がきれいと言うことは、結晶の中身がきれいに並んでいるという可能性が高いのです。
    大きな結晶になったとき、きれいに並んでいる=見た目がきれい な結晶であるためには、最初がきれいでないといけません。
  3. 結晶を作っている間、静かにおいておく。

  4. 大きくなりつつあるときに結晶の周りの状態が揺れ動くことはあまりよくありません。そ〜っとしておくほうがよいものです。(あくまで一般論ですが)
  5. 温度変化を小さくする

  6. 途中で温度が上がった場合、一度結晶になった部分がまた溶けてしまうことがあります。
    これが起こるときれいな結晶になりにくくなります。(ほとんどは見た目ですが) 今回は発泡スチロールトレイの上において、直射日光のあたらない北向きの部屋においておきました。

過程と結果
”最初に注意点”
今回使用する薬品は”リン酸2水素アンモニウム”といいます。
それほど毒性はないのですが、肌に付くと肌荒れなどの悪影響があります。
飲んだり、吸い込んだ入りするのは厳禁です。
また、目に入ったりすると大変危険です。
それなりに気をつけて扱うことと、お子さんは必ず大人と一緒に実験しましょう。

キットについている「結晶の素」

を18グラム量り、45℃のお湯を少しずつ加えて飽和(に近い)水溶液を作成した。
このとき、溶液がさめていくので、45℃程度のお湯に容器のそこをつけて(つまり湯煎しながら)作業を進めた。
液量は今回約60ミリリットルだったが、もう少し少ない量でも良かったかもしれない。
北向きの部屋の窓際(人があまり触らないところ)に、発泡スチロールトレイ置き、溶液の入った容器をその上に置いた。


1週間後、結晶が沈んでいたので、種結晶を探した。

しかし、適当なものが見つからなかったので、大きめの結晶を折って種とした。

種結晶をキット付属の糸で縛り、適当な長さに切断した割り箸の中央付近にくくりつけた。
溶液部分は別に用意した調味料入れに移した。
種結晶を溶液につけた。この際、結晶が溶液の真ん中あたりに来るように、糸を割り箸に巻きつけてセロテープでとめることで糸の長さを調整した。


(上図、右の入れ物には種結晶以外の結晶を溶かしたものが入っています。
かなり青色が薄くなっているのがわかると思います。
これは、結晶が出来るときに、青い色素がその中にあまりは入れなかったことを示します。
このように、うまくいけば結晶を作ってやることで、物を分けることができます。(完全には無理ですが)
こういう方法を再結晶と呼びます)

一週間後、結晶は大きくなってないたが、種結晶の形がうす青く見えていた。(大きさは約1.5センチで十分と思われる)

→原因は種結晶を洗わなかったためと考えられる。

もっときれいな結晶を作るべく、容器の底に沈んでいた結晶の中から、きれいなものを2つ選んで種結晶とし、再度チャレンジした。
見栄えを考えて、結晶を縛る糸には細いミシン糸を使用した。


一週間後、それぞれ大きくはなったが、一方は完全な単結晶にはならなかった。(枝分かれが起こった)

もう一方は多少小さいものの、それなりの質と考え、この結晶を持って成功と判断した。双方とも長さは1.5センチ程度、枝分かれしてしまったほうは厚さ0.7センチ程度。枝分かれのないほうは厚さ0.5センチ程度であった。


反省点
反省点は以下の通り。
  • 2度目の結晶化の際に、予備で作っておいた溶液が飽和した段階で、結晶化用の溶液として追加する予定であったが、そのタイミングを逸した。
    この作業を行っていれば、もっと大きな結晶になった可能性がある。
  • 容器を発泡スチロールの容器中に置くべきであった。
    発泡スチロールのトレイ上に置くよりも温度変化が抑えられ、よりきれいな結晶が得られたと思われる。